ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)
(2011/07/08)
ローワン ジェイコブセン、福岡 伸一 他

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養蜂家のミツバチが大量に行方不明になっている問題についてのお話。
環境問題に警鐘を鳴らした、レイチェルカーソンの「沈黙の春」が出版されたのが1962年とのことですから、それからもう50年経つのですね。当時から比べると環境問題は確実に複雑化しており、ミツバチ問題についてはその原因がいまだ解明されていないという困った事態です。

本書の中ではかなり詳しく養蜂の仕方について触れられてますが、それにしてもミツバチのコロニーというのは本当によくできたシステムですね。マネージャがおらず、共通した目的意識を持った個々が現場でフレキシブルに対応し、それを全体にフィードバックするという組織。究極の効率化した組織です。8の字ダンスとか、情報伝達のために持っているツールもシンプルでミスが起こりにくい。

というような組織論云々もありますが、読後の感想としては「ミツバチ飼いたい!」
ミツバチぞっこんLOVEでございます。
思わず「ミツバチ 飼育」なんかでググったりしてしまいましたが、まあマンション暮らしではとても無理そうです。

しかし、この本に限らず、最近こういうタイトルの本ばかりが本屋に並んでて辟易しますが、本書の原題は「Fruitless Fall」でして、なぜにこういう邦題を付けたのか理解に苦しむなあと思いつつ、アマゾンの書評を見てみると、みなさんやはりこの邦題に納得してらっしゃらないようで、出版社も読者層を見極めて安易なタイトル付けは慎んでほしいものです。
普通に「実りなき秋」で良かったんじゃないのかなどと思いつつ、「沈黙の春」をウィキペディアで調べると『~1964年に初めて日本語に訳された際の題名は、『生と死の妙薬』(せいとしのみょうやく)だった。』とあり、50年前とはいえ、なぜそのタイトル?と思わず苦笑いしてしまった。