先日、現在受件中の相続税申告の土地評価の為、淡路島へ行ってきました。
遺産である土地が長い間耕作放棄されていた棚田とのことなので、相続評価をするにあたって、現地の確認に行かせてもらったのです。

聞くと、相続人の方は奈良にいらっしいまして、被相続人も晩年奈良に出てこられており、現地で農地の世話をする人が誰もいなかったとのこと。

現地を見に行きますと、まあ草木が茂りに茂って、もはや農地として利用するには不可能な状態。
モンスーン気候、恐るべしです。草木の繁殖力って半端ないです。
現在日本中で過疎化高齢化により、こうした耕作放棄地が増えてきており社会問題化しています。

さて相続評価の話ですが、倍率地域の土地の評価の場合、基本的に固定資産税評価額に国税が定めた倍率を乗じて相続税評価額を求めることになりますが、こうした耕作放棄地については、役所の固定資産税課が登記地目のまま「田」や「畑」として固定資産税評価額を出していることがほとんどです。
長期間耕作放棄されて現況の地目が「原野」や「山林」になっていたとしても、役所が自発的に現地確認して課税地目を変更することなどまずありませんし、そこまで手が回りません。
そのまま評価すると、耕作できるような状態の「田」や「畑」の評価額になってしまいます。

そこで相続評価の場合には、固定資産税評価額を現況の地目に修正して倍率評価することにより、土地の相続税評価額が減少させることができます。

耕作放棄地をお持ちの方については生前の対策として、役所に耕作放棄地の課税地目の変更を申し出ておくと良いかもしれません。
地目の変更登記をするわけではなく、あくまでも固定資産税の課税地目を変更しておいてもらうのです。年間の固定資産税の減少額はしれてますが、相続税の評価額は「田」と「原野」ではずいぶん変わります。